動画と肖像権とプライバシー
公開日: | 最終更新日: 2018/06/06 知っておきたい権利と安全
ビデオ・動画や写真を公開する際に気をつけなければならないことの1つが《肖像権》の問題です。
肖像権とは?
肖像権とは、(本人の承諾なく)むやみやたらに撮影されたり、公開されたりしない権利のこと。人格権や憲法13条(幸福追求権)の範疇において解釈され、複数の判例で認められています。
気軽に写真・動画の撮影や公開ができるようになった現代では、誰もが知っておくべき大切な権利の1つです。
肖像権を侵害しないためには・・
肖像権を侵害しないためには、写真・動画に映る相手に《撮影と公開の許可をとること》が大切です。どこに、どういった主旨で載せたいか伝えて、撮らせてもらえるかお願いしましょう。
旅行先で風景や観光スポットの様子を撮るときなど、映りこむすべての人へのお願いが現実的でない場合は、特定の人が主役になることがないような焦点・構図で(もしくは、撮影・公開の許可をくれた人を主役にして)撮影することが大切。
ウェブに公開したりSNSに投稿したりする場合は、許可をとっていない人の顔にはモザイクを入れるようにしましょう。
ちょっと余談ですが、
ブロガー歴の長い人のなかには、ちょうど皆うしろを向いてる瞬間をとらえて撮るのが得意な人もいます。(残念ながら、わたしにはまだその能力はありませんが)、自然な写真にするためにも加工の手間を考えても、できればモザイクなしで使えるに越したことはないので、《撮影位置をうまく選んで、皆うしろ向きの瞬間を狙う》訓練も徐々に積みたいものです。
参考:
有名人の肖像には、肖像権+パブリシティ権がある
有名人の肖像には、《肖像権》だけでなく《パブリシティ権》もかかわってきます。
※肖像とは、絵画・写真・ビデオなどに映された(描かれた)「顔や姿」のこと。
有名人の肖像は、それ自体が商品価値や顧客誘引力をもつため、その人を写した写真やビデオ・動画には財産的価値があります。
パブリシティ権とは、有名人の肖像を管理する権利(無断で使用することを拒否したり、有料で使用を許可したりする権利)のことで、所属事務所または本人がもっています。
(本記事では、プライバシーの尊重としての肖像権とパブリシティ権を区別していますが、両方あわせて、広義に「肖像権」とする考え方もあるようです。)
つまり、
有名人を撮るには、まず本人の許可が必要であり、もしウェブで公開したりSNSに投稿したりする場合は、さらに、本人とパブリシティ権の管理者(事務所など)から公開についての承諾をもらう必要がある、ということです。
有名人に出会ったとき、本人に了承を得て記念写真等を撮らせてもらうことがあるかもしれませんが、撮影の許可しかもらっていない(公開・投稿については承諾されていない)場合は、ウェブで公開したりSNSに投稿したりしないようにしましょう。
また、自分で撮影していない有名人の写真や動画を勝手にコピー・転載する行為は、パブリシティ権の侵害に加えて、撮影者の著作権侵害にも該当します。
参考:
まとめ
肖像についての権利(プライバシーの尊重としての肖像権、パブリシティ権)、いかがでしたでしょうか。
観光地や人が多い場所ではなかなか難しいところもありますが、誰かにピントを合わせたいときは事前に許可をとる、風景や様子など全体を撮りたいときは映りこんだ人にモザイクをかけるなど、肖像権に配慮しましょう。
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